砂糖と異性化液糖の価格の違い
前回の記事では砂糖と異性化液糖の成分や原材料の違いについて説明しました。
今回は砂糖と異性化液糖の価格の違いについて説明したいと思います。
まず皆さん、砂糖と異性化液糖のおおよその原価を知っていますか??
砂糖は相場価格で毎日変動するのですが、1キロ当たり約180円です。
一方で異性化液糖は詳しい価格は知らないのですが(すみません…笑)、砂糖より遥かに安い価格となっています。
何故、砂糖がこのように高い価格になっているのかというと、糖価調整法という法律によって税金がかけられているためです。
糖化調整法は、国内さとうきび、甜菜農家を守るために設けられた法律なんですが、
簡単に説明すると、砂糖の4割は国内のさとうきびやてんさいを原材料に作られていますが、6割は輸入に頼っています。
この輸入で入ってくる砂糖の原料(原料糖と言います)が国内で作られる原材糖に比べて非常に安いのです。
そのため、国内で砂糖を精製している会社は輸入の原料糖を買う時に高い税金を払い、その税金を国内のさとうきび、甜菜農家に交付するという法律です。
この法律のために、砂糖は税金がかけられた分高くなっています。
しかしながら異性化液糖は、ほとんどを輸入に頼っているために、輸入価格のまま国内で流通しています。
その結果、砂糖と異性化液糖に価格差がついてしまっているというのが日本の現状です。
飲料メーカーなどはもちろん安い原材料を使うため、近年では砂糖の消費量が減少し、異性化液糖の消費量が増加していく傾向が続いています。
しかしながら、砂糖には砂糖でしかできない様々な役割もあります。
これから日本における砂糖や甘味料に関する法律がどうなっていくのか、興味を持って頂けると幸いです。